色んな俺
明日の日中の空に浮かぶ月は、一番小さな満月。
横浜辺りでは晴天に恵まれた眩しい青空の中に浮かんでいる筈の、そんな小さな満月なんかを誰も見つけ様とはしないでしょうね。
今宵は、東の夜空に低く、苺色をした小粒の雫として哀しんでいることでしょう。
マヨネーズをたっぷりと入れてから
茹で卵を3個押し込み
左手で穴を塞ぎながら
臍の下20センチ恥骨の少し上を
ひたすら殴り続けた
腹は真っ赤になり
右手が疲れ果てたけど
卵はそのままだった
かなり残念な結果になってしまった
今度は温泉玉子でやってみようと思う
君を送り届けた帰り道に、僕は小さな満月を拾ったんだ
濡れたアスファルトの道端に、ふと目に付いた水溜まり
照らしていたのは、雲を払い除けた満月だった
君の足音がまだ聞こえているこの距離だけど、もう呼び止めたりはしないで、
後ろ姿と水溜まりの中の満月を僕は尊んだ
茹で上がった熱々のじゃが芋の皮を剥いて
そのまま押し込んでから
マヨネーズをたっぷりと注入
手を突っ込んで
中でぐちゃぐちゃに握り潰し
はみ出してくる熱々に
塩胡椒を振り掛けながら頂く
ヌメヌメ芋の残った温かいマヨまんの中に俺のホワイトソースを吐き出せば
彼女のご馳走も出来上がり