思い出に振り回されて、 今の俺は 上手く生きられていない。 きっと、彼女も今頃はそんな状態に 陥ってるのかも知れないな。 なんて、思ったのは、 そうあって欲しいと願う 俺の薄汚いプライドの 捻れた醜さなのだろうか。 同じ様に落ち込んでいて欲しくて、 自分が彼女に注いだ愛情が 確かな傷跡として 残っ... 続きをみる
思い出に振り回されて、 今の俺は 上手く生きられていない。 きっと、彼女も今頃はそんな状態に 陥ってるのかも知れないな。 なんて、思ったのは、 そうあって欲しいと願う 俺の薄汚いプライドの 捻れた醜さなのだろうか。 同じ様に落ち込んでいて欲しくて、 自分が彼女に注いだ愛情が 確かな傷跡として 残っ... 続きをみる
道路脇で花の姿を 保っている期間が 長い紫陽花は 雨の泥はねや 車の排気に曝されて 憐れな咲き姿で 揺れている 何故そんな姿になってまで 花びらを落とさずに 頑張るのだろうか そんな生き様が 誰かと重なって 浮かび上がる面影 悲しく汚れた 水色の紫陽花なんか 俺は見たくなかったんだ
俺の心に巣食う水溶性の悲しみが この雨に打たれて流れ出し 傍らに咲く紫陽花を鮮やかな蒼に 咲き誇らせてくれた 余りにも見事な蒼の深さは それだけ俺から出でた思いの 濃さを表しているのだろうか