敗北者のブログ

長年生きて来たぢぢぃの独り言

友人B




少しだけ泣かせて貰ってもいいかな?


そんな言葉を

言い終らぬ内に溢れ出す涙。


見ないふりして

掛ける言葉をおろおろと探す俺。


もたれ掛かって来て

胸に顔を埋めてしまった。


ん?えっ!

あれれ。


これってさ、

少しだけって案件じゃないよね?


ぴえん程度の話しじゃないよね?


ガッツリと本腰が入ってない?



「大丈夫?」


結局、陳腐で詰まらない

不甲斐ない言葉しか出せない。

そこが

俺らしいっちゃ俺らしいのかな?



押し殺す泣き声に

つい肩に手を添えて

前髪まで撫でてしまった。


おっと、

そこまでしちゃうと

俺らしくない気がするけど、、、



そんな切っ掛けを与えた俺は

ただの良い人で

彼女に取っては、

その他の友人でしかないんだよな。


身近で善意ある友人Bは

詳しい心情には

踏み込めないし、

尋ねはしないよ。


こんな胸で良かったら

いくらでも使って下さいな。



だけどさ、

立っているのが精一杯で、

膝が震え出して来ちゃってる。


えっと、

そこまでなのかな?

そんなにもダメなの?


もう、

声を堪える事もしなくなって

わぁわぁと

遠慮がなくなってるじゃんよ。


抱き締めて

支えて上げるしかなくなった。


言葉になってない泣き声は

何かを訴えちゃってる。


どうしちゃったのかな?

これって

俺がうろたえて良い場面じゃないよな。



ん?なんだ?

駄目だよね。

そこに俺の名前は登場しないよね。


俺は、この涙には無関係だよね。


俺は悪者じゃなくて、

良い人の友人Bなんだよね。


言わば、通りすがりの知人なら

誰でも良かったんだよね?



てかさ、

もうぐちゃぐちゃじゃん。

なんだろ、

抱えた背中に力がこもるし、

頭を撫で続けちゃう。



ヤバいよ、

なんだか愛おしい。


同情を通り超してる気持ちが

涌いてきちゃってるじゃん俺。


なんだよ、おい。

どうしたんだ俺。


もらい泣きしそうじゃんか。


俺が泣いてどうすんだよ。


なにやってんだよ友人B。


ちょろ過ぎないか友人B。


弱すぎるぞ友人B。



涙の匂いが

胸元から涌き立って

俺の鼻に入り込む。


悲しみの媚薬が脳内神経を

直接的に刺激して、

もう、どうにも止まらない、

貰いぴえん。


なんて器の小さい男なんだと

頭を撫でる手が止まり、

俺の涙が彼女のつむじを

濡らしていた。



なんか良く分からないけど、

とりあえず、

一緒に泣いて上げるよ。


抱き締めていて上げるから、

その、

俺の名前を呼ぶのは

やめてくれないかな?


友人でいる自信が

なくなるから。

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