敗北者のブログ

長年生きて来たぢぢぃの独り言

我が家の猫




まだ13年くらいしか経っていないのかな?

我が家には二匹の猫がいる。

息子がまだ小学校の低学年、娘は中学生だった頃に、動物病院の里親の会に参加して貰って来た猫である。


奴らは、産まれてから3~4ヶ月経っていたらしく、狭いケージの中で兄弟6匹で元気に暴れ回っていたんだ。

その中でも、一際暴れん坊で、だれそれ構わずに襲い掛かっていたキジ虎の猫を息子が気に入って、

そして娘は、ガシガシ襲われ追いかけられてもマイペースで隅っこに避難して行く落ち着いた茶虎の猫を気に入って貰って来た。




引き取りには、ちょっとした審査的な書類選考や面接的な手続きがあって、ちゃんと責任を持って最後?最期まで飼える飼い主かどうかを判断されるんだ。


持ち家かマンションかとかの住環境や、病気になった時に病気通いが出来るのかの年収や面倒をみる人がいるのかとか、もちろん引き取り手の年齢も考慮されるんだ。


ワンちゃんや猫ちゃん達の寿命は大体15~16年以上なので、その時点で飼い主の年齢が60歳を越えてしまっていれば、将来双方が高齢者になってしまうので、飼い主としては不適格だし、ペットも病気をすれば入院と言う事になって、手術や入院費もバカにならない金額が掛かるので安定した収入があるのか、とか、乳幼児や赤ちゃんがいる家庭なのかとか、色々な家庭環境を尋ねられてから、やっと、

バリバリの由緒正しい野良猫さんから生まれた子猫ちゃんを引き取らせて頂けたんです。





それ以来、我が家はてんやわんや。

沢山の兄弟にまみれ、お母さんと一緒に楽しく過ごしていたはずなのに、見慣れない家に運ばれて、見知らぬ人間に囲まれて、

心細かったのか、寂しかったのか、

2~3日はみゃ~みゃ~鳴いたり、部屋の隅っこでしょぼんとしていた猫ちゃんに付きっ切りで構っていた。


けれど、

一匹とは言え、見慣れた兄弟が一緒にいたので、その内に取っ組み合いのじゃれ合いとかをするようになって元気に我が家の家族になってくれたのです。


やんちゃ盛りの頃にはカーテンによじ登るわ、障子を駈け登るわ、本棚の本を落とすわ、食卓に乗っては人間のご飯を食べたがったり、夜には布団の中に潜り込んで潰されそうになったりと、家族の中心的な存在になったんです。


俺は、子供の頃から両親が動物好きだったので、犬や猫は常に身近にいる生活には慣れていたのですが、家内はマンションで育って来たので動物を飼うって事に憧れていて、

今回の猫を飼うって話しも家内のたってのお願いで実現した事だったんだ。




ペット、動物は生き物なんだから、気軽になんの覚悟もなく飼うって事は、命を軽視する事になるんだし、一匹の生き物の生涯を預かるのだから、飼う以上は家族として接しなければ可哀想なんだって覚悟を促して、

それでも猫を飼いたいと言うので貰ったんだ。



純和風の我が家は、障子や襖で部屋が仕切られているのだが、その障子や襖は木でできていて、いわゆる鍵などは掛けられない、単純な引戸タイプ。

お猫様達に取っては、理想的な住環境なのである。

開けたい障子はカリカリと引っ掻けば開くから、行きたい部屋や場所へは自由自在に行き来が可能だし、障子や襖は登り放題破き放題。

爪研ぎの時には塩梅よく爪が引っ掛かるので、猫背をビロ~ンと伸ばした姿勢でも、こじんまりと小さく丸まって下の方を使うのも猫様次第でございます。




トイレの掃除やエサやり。

誰の布団で寝るのか、人間の食べている物は食べさせてはいけないとか、なるべく外に連れ出して上げるとか、構って上げたり遊んで上げたり。

コイツらの人生?にゃん生は飼い主の質で決まってしまうんだ。

どんな風に接しながら付き合って上げるべきかをちゃんと考えなきゃ駄目だよ。

なんちゃって、偉そうに言い散らかして、

娘や息子と一緒に過ごして育って来たんだ。



今では、平日の朝の出勤時間に各々が出掛ける時には必ず玄関で待ち伏せをしていて、行くな、俺も連れて行けと言わんばかりに足下に絡み付き、ただを捏ね、しばらくはワシャワシャと頭を撫で回し説得をしなければ出掛けさせてくれないと言う有り様。


帰りの時間帯には窓際で外を見張っていて、帰って来る家族を見付けると玄関先に来て待ち伏せをしている始末。

それからは、おやつをよこせと歩いている足元絡み付いては手洗いやうがいをする前に、先ずはカリカリを上げなければうるさくてしょうがないんだ。



寒い季節には布団の中で一緒に寝るし、胡座をかいていれば、当たり前に、当然の様に膝に乗って来るし、お腹が空けば飯をよこせ攻撃を、夜中だろうが明け方だろうが容赦なく浴びせ掛けて来る。

蚤が湧いたり怪我や病気をしたりと、病院通いや時には入院までする始末。





そんな日々を13年ほど一緒に過ごして来たんだけど、

茶虎の猫の方が、一年半くらい前に突然に元気がなくなってしまったのです。

走り回らなくなったし、食欲も落ちてしまって鳴き声に力がなくなり、

お水を頻繁に飲むようになったんです。


病院で診て貰ったら、糖尿病でした。

即日の入院でインスリンの量を決める為の10日間の経過観察入院。


ある意味では故郷のはずの病院なんですが、10年以上も経ってる上に、たまに来る時には元気がなくなっている時で、注射を打たれたり、蚤取りの薬を垂らされたり、押さえ付けられて爪を切られたりと奴にしてみたら、この病院は嫌な事ばかりをされる場所でしかなったんです。


とは言え、そこは動物病院ですので看護師さんや先生は皆さん動物好きな方々なので安心ではあるのですが。


困ったのは我が家族。


暇さえあれば、お見舞いに行きたい。の連呼。


車でだったら20分で行ける距離の病院なのですが、

けして、歩いて行ける距離ではない。

バスと電車を乗り継いだら1時間はくらいは絶対にかかってしまう。

最寄りの駅から15分くらいは歩かなければたどり着かない、ちょっと気軽にお見舞いに行くには大変な距離。

しかし、車だったら20分。

お見舞いは午後の6時半までで、俺が会社から帰って来るのが、ほぼ毎日5時40分くらい。

病院で30分くらいは、会ってて上げられる。って結論なんですわ。


けどね、

会った時はにゃ~にゃ~と猫も喜んで娘や家内も嬉しそうなんだけど、

いかんせん30分。

帰らなければならない時間を猫も察するんですよね。

ただでさえ、毎朝玄関先で「行くな行くな」の絡み付きなのに、

何故、俺を連れ帰らないのかと言わんばかりに、いかにもお怒りの鳴き声を上げるんですわ。

側に居る看護士さんも困り果てながら、宥めてはくれるのですが、そこはそこ、我が家の猫ですので、いくら看護士さんに懐いていたとしても飼い主には敵いっこありません。


断末魔の帰るなコールを背に病室?のドアを閉めるのですが、

その帰りの車の中は、どぉ~んよりとした空気が、、、



今では、私が帰宅した直後に、やかましい猫を足元に絡ませながら、チュールや猫用鰹節、かなり高価な糖尿病用カリカリなどの夕食を与えながらインスリンのお注射を打っている毎日です。



いやはや、猫って奴等は厄介なんですわ。

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