敗北者のブログ

長年生きて来たぢぢぃの独り言

落書き 2


はらたいらさんに500点。








「もしかして、俺の事好きでしょ。」


明日になればきっと開花するであろう蕾が
陽光の降り注ぐ花壇の中で
幾つもの咲き誇った花々に雑じって
風に揺らいでた。


「あっ、良かった。
気づいてくれてたんだね。」


公園の花壇の前にしゃがみ込んで草花に
諦めを落とし込むような静かな口調で呟いた。


「どうしようか、ずっと迷ってた。
告白もしていないのにふられた時の
場面ばっかり想像しててさ。
惨めさに脅えながら過ごしてた。」


誰かがこんな風に綺麗な花壇になるように
苗を植えて手入れを重ねて来たからこそ
今のこ見事な花々が開花していた。


「そう、何度か何かを言いかけては口を噤いで
俺の前から逃げ去ってたよね。
それが凄く不自然で、それでいて
なんとなく可愛らしく見えてたのは
俺の間違いではなかったって思っていいのかな?」


明日になればきっとこの花壇で一番華やかで
美しい大輪となるであろう蕾が
不安げな笑顔を浮かべながら振り返った。


「この花達は、咲けなかった事なんかを
恐れてはいないよ。
ただあるべき姿のままでここで生きて
花を咲かせてるんだよ。」


明日になればきっと開花するであろう蕾は
そこに咲く数々の花々の中に優雅に花開いた
自分の姿を思い描いているかのような
優しい笑顔を浮かべていた。


「こんな私でも、貴方の花壇の中に
花を咲かせる事はできますか?」



たった今俺の目の前で、
順光の陽光に照らされながら
蕾が綻んで花弁の一葉一葉が綻んでいく様を
目の前で鑑賞していた。







篠沢教授が不愉快だって言ってます。

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