青春のブログ記事
白髪を憐れむ
艶がなく纏まりのない乾いた栗色のショートヘアーが悲しくて堪らなかった。 あの頃。 お腹の上に股がって上からキスを迫って来る時には、汗ばんだ俺の顔に絡まって、決まって唇に纏わり付いて来た長い黒髪。 バイクで家まで送る時には、排ガスに曝されるのを嫌って、束ねてからジャケットの内側に仕舞い込んでメットを... 続きをみる
鈍色のリング
当時の値段で 二千円もしなかったと記憶している。 あれは確か、 表参道の古びたアパート前の歩道に やる気のなさそうな ヒッピー風のお兄さんが、 黒い敷物の上に 安っぽいアクセサリーや ガラクタを並べて売っていたのを、 あゆみんが笑顔で手招きをしてまでして 俺をその場に座らせて 選ばせたリングだった... 続きをみる
無駄な青春
努力は必ず報われる。 流した汗は裏切らない。 中途半端な青春時代の俺には 掴み取りたい栄冠があった。 しかし、 結果は5位。 表彰台にはあと、 2歩も足りなかった。 追い込みは正に中途半端の 極みだった。 それでも、立派だ、胸を張って クラブに帰れるなと師匠や先輩は 肩を叩いてくれたけど、 俺に取... 続きをみる
とあるおばさん 2
「ねぇ、良かったらで良いんだけどね、 本当に、嫌だったら断っていいんだから ね、こんなになっちゃった女になんか、 なんの価値もないのは解ってるから」 卑下にしか聞こえなかった言い訳に、 妙に腹が立った。 昔とは言え、自分の彼女だった女が、 誰にでも自慢出来た彼女だった女が 今では、価値のない女なん... 続きをみる
とあるおばさん 1
もう数年前の話しです。 会社の用事で、会社近くの銀行に 行った時の事。 窓口で手続きをして貰って居る間の 待ち時間に、3~4人掛けの椅子に 座っていると、 一人分を空けない程度の間隔に 一人の、いかにも場末の飲み屋に 居そうなおばさんが腰掛けたのだった。 俺は、特に気に掛ける事もなく、 床に視線を... 続きをみる
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