敗北者のブログ

長年生きて来たぢぢぃの独り言

家内は、、、



写真はイメージです。





ホントは家内は可愛いんだ。


俺は、実は家内が大好きなんだ。


見た目は決して美人だなんて口が裂けても言えないし、身長も低く143センチとチビなんだ。


そんなちっちゃい家内が常に話し掛けて来ていて、喧しいくてうるさいんだ。


その服じゃ寒いだの、風邪を引くだの、

あれ食べない?だの、あれ美味しそうだの、

疲れてない?だの、なにしたい?だの、

何処いくの?だの、いってらっしゃい、

気を付けてね。だの

何時頃に帰って来るの?

だのと常に何かを尋ねて話し掛けて来てるんだ。


そんな家内とは、もう25年以上も長々と夫婦なんてモノをしている。


だけど、俺はこれまでに一度も家内に対して激怒した事がないんだ。


もちろん、暴力なんてはもっての他で、怒鳴った事もなければ、言い合いすら少ない。


そりゃ、機嫌の悪い時や意見の食い違いで怒る事はあっても、気持ちの底には常に何処かに家内に対する後ろめたさとか感謝や安心感がドンと居座っていて本気では怒れないんだ。


だから、喧嘩らしい喧嘩ってのは記憶にはあんまり残っていなくて、暫くすれば結局はまたペラペラと話し掛けられてる状態に戻ったりしてるんだ。




常に何かを喋り掛けられている俺は、意外でもなんでもないんだけど、家内の話を聞いていないんだ。


話しは聞いてはいなけど、家内の話し掛けて来る声が聞こえていないと落ち着かない自分がいるんだ。


これだけの年月を夫婦として過ごして来てしまうと、一緒にいる時にはほぼほぼ家内の話し声が聞こえている状態で生活をしているので、家内の声は俺に取っては常に近くで鳴っているBGMの音源の様な物になっていて、家内が傍にいるのに何の話しもしていないなんて事はあり得ないのだ。




ペラペラと好き勝手な事を自由気儘に話してる家内を可愛いって思ってるし、あーだこーだと世話を焼いてくる家内を大切にしたいと思ってる。


あまり会話としては成立していない様な書き方をしているが、不思議なもので俺の言いたい事は伝わっていたりするんだ。




ここまで色々と家内の話し好きな所、お喋りだって事を書いて来ちゃったけど、

実は家内は俺が書いてしまっている様な、無茶なお喋り女ではないらしいんですよ。


家内は大手スーパーでパートとして働いて貰っているのだけれど、

これだけのお喋りが働いていたのでは、周りのパートさん達もさぞかし迷惑を被っているんだろうなと思っていたんだ。


でもそれが、意外や意外。

家内がお喋りなんだと思っている人はかなり少ない事実を知ってるんだ。


家内の仕事終わりに迎えに行きがてら、食料品の買い物や俺の服や下着を買う時に、家内と一緒に働いているパートさん達とは、時々話をする事があるんだけど、

「このお喋りがいつも迷惑ばかり掛けてすいません。」

などと、挨拶をすると、

意外にも、

「○○さんはもの静かな落ち着いた方で助かっていますよ。」なんて予想外の応えが返ってくるんだ。

しかもそれは、他のパートさん達も言い方は違えど、無口までとは言わないが、誰一人としてお喋りな人だとは言わないんだ。


そう、家内は仕事をしている時には、余り喋らないみたいなんだ。


てか、話す相手を選んでるのかな。




家内は四人姉弟の三番目なのだが、この姉弟が揃うと大変な事になるんだ。


言うなれば、江戸時代の合戦場なんだ。

四方八方から切り着けられるわ、突然に矢は飛んで来るわ。

戦場だから、一瞬足りとも気を緩められないお喋りが原の合戦場なんだ。


ふと気が付くと話し掛けられていて、聞いていると違う人が話し掛けて来て、急に話題が変わるんだ。

あれ?なんて今話していた話題の事を考えてたら、命が幾つあっても足りない。

直ぐ様に切り替わった話題に集中して刃を交わさなくてはならないんだけど、いつの間にか、また元の話題に戻ってて、平行して幾つかの話が進行してて、その話し一つ一つがいつの間にか完結してたり、違う話題にすり変わってたりするんだ。



俺の命は30分ももたないんだ。

話しに付いて行けなくなって頭痛がして来るし、

話しが理解できなくなるんだ。

突然に三分前に話していた内容とは違う話しをしていて、十分後にはまた話題が戻ってたりして、いろんな話しが幾つも交錯しながら進んで行くんだ。

しかも、そのどの話しもいつの間にか完結したりしてて、一つ一つを集中して話さないんだ。

一つの事をじっくり考えながら話しはしないけれど、結局は長い時間を小間切れにしながら、それぞれが最終的には意見を出していてなんとなくの決着が着いてたりするんだ。

それを理解しようと、あれこれまともに考えていると脳ミソがバグって頭痛がし出すんだ。

だから、四姉弟が揃った時には、それぞれの夫と奥さん四人で集まって嵐の様な会話をおとなしく静観してるんだ。




家内はチビなんだ。

だから、ちっちゃくて可愛いんだ。

だけど、顔やスタイルは、、、



確かに、スタイルが良くて美人の女性と結婚した友人とかを見ると物凄く羨ましいし妬ましいんだ。

こんな綺麗な人とずっと一緒に暮らして行ける友人はどんなに幸せなんだろう。

なんて、俺が悔しがるのも変なんだけれど。


蓋を開けて見れば、その友人は数年後には奥さんの悪口を言ったり愚痴を溢したり、その数年後には離婚してたりして、

どんなに綺麗な女性と結婚できたとしても、一緒に暮らしていて、お互いに素でいられる安心感や、改まって話し合いをしなければ思っている事を伝えられなかったり、思い遣りを失くして傷付け合ったりしてるんじゃ、羨ましくなんてないんだ。


そんなんだったら、チビでブスで、やかましくてうるさいけど、安心できて、なんか落ち着けるし妙に可愛い家内みたいな女性と結婚した方が人生は勝ちだよね。


でも、スタイルが良い綺麗な女には敵わないのかな?

なんて、、、







俺は今でも後悔してるんだ。



だけど、家内と結婚できた事は物凄く幸せなんだと心底本当に思ってるんだ。

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