敗北者のブログ

長年生きて来たぢぢぃの独り言

未刊の小夜 1




多分、俺の中に脈々と眠るサディストとしての片鱗をマゾヒストの彼女は見抜いていたのかも知れない。


確かに俺はまだ低学年の頃から、幼馴染みだった彼女に対して遠慮や手加減をする事がなかったんだ。


とは言っても、喧嘩をして興奮の余りに殴る蹴る等の暴行を加えていた分けではなく、あくまでも女としての彼女の体に対しての興味本意から来る、いたずらとしてのスキンシップが一線を越えてしまった延長線上に、彼女の股間を蹴り上げたり、乳首をつねったりの加虐行為はしていたんだ。


それを彼女は、痛がっては居たものの嫌がってはいなかったし、寧ろ甘んじて受け止めていたんだ。


小学生の友達としての男女が、じゃれあって遊んでいる内にノリ過ぎてしまって歯止めが効かなくなった成り行きが、

結果的に「女の股間は蹴られても痛くないんだよ。」

と言う彼女の主張を実証すべく、自らスカートをたくし上げ、パンツを丸見せにして仁王立ちになった股間を蹴り上げている内にどんどんエスカレートして力が入って行ったんだ。


「蹴られても、何も付いてないから痛くないんだよ。」

と言いながら、蹴り上げられる度に股間を押さえながらうずくまって、

これは、「どんな場所だって蹴られれば痛いんだから当たり前じゃん。」

と言いながら、直ぐに立ち上がっては、脚を開いて次を受け止める姿勢を取ったんだ。


股間を蹴り上げているのに平気平気とばかりに立ち上がる彼女に対して苛立ちを覚え意地になっていたんだ。




小学校の高学年ともなれば、女子の体型にも変化が現れてくる。


そんな頃から小夜は、自分の身体の変化?成長を何気に俺に対してアピールをして来ていたんだ。


真夏の薄着になっている時期に、まだブラなどをするほどでもない、ちょこんと膨らみ出した胸をわざわざ両方の手の平を添え、それを誇張する様に輪郭を押さえ、ふざけながら俺の目の前に突き出して見せびらかしたりしていた。


もちろんそれは、他に回りに誰もいなくなっている、二人だけの瞬間での悪ふざけであり、俺はその仕草自体の持つ意味を深くは考えもしていなかったんだ。


そうそれは、小夜に対して異性と言うか女としての意識を俺が幼過ぎていて、まだまだ持っていなかったから、その仕草の示す小夜の心情など全く考えもしていなかった。


なので小夜が、俺に対してふとした瞬間に胸をアピールする様な仕草をして来た時に俺はいとも簡単に触れる事が出来たんだ。


それは、俺自身に女の胸を触ると言うイヤらしい意識などは全くなく、常に近くで遊んでいる友達の癖の様な仕草として捉えていたので、なんの意識も持たずに、突き出された突起物を無意識に触れていたんだ。



気心が知れている。

なんて意識などはなかったし、

特に仲良しなんだ。

なんて積もりでもなかった。

ただただ、いつも近くにいて話しをしたり遊んだり、じゃれ会っていただけだったんだ。


だから、意見の食い違いや言い争い、いわゆる喧嘩みたいな状態にもしばしばなったりしていた。


そんな嫌悪さにも関わらずに、ふっと自分の正しさを主張するかの様に言葉を荒げて胸を突き出して来る時に、俺はその膨らみを叩いたりつねったりしていた。


もちろん、その力加減は暴力と言うほど乱暴なものではなかったけど、女性の胸に対して、ましてやまだ幼い女子の発達途中の胸に対しては十分に刺激的な行為だったに違いなかった。


胸をつねられた小夜は、それまでの怒りの勢いが一気に削がれた様に大人しくなり態度が急変していた。



男として、おっぱいと言うものに対して十分に興味や感心はあったものの、そのおっぱいが小夜にあると言う意識がなかったんだ。


小夜の胸の膨らみがおっぱいだなんて意識は俺にはなかったんだ。





小夜とは、幼稚園時代からの顔見知り?だった。


幼稚園時代には、特に一緒に遊んだりとか、話しをした覚えはなかったのだが、小学校に入学した時に、

「あっ、幼稚園の時に一緒だった子がいる。」くらいにしか思ってはいなかった。


まあ、当たり前なのだが、わずか40名くらいしかいない片田舎の単級の小学校なのだから、同じ幼稚園に通っていた園児は、みんな殆んどが同じ小学校に通うのは当然だったのだ。


小夜は余り可愛いくはなかった。

と、言うよりもブスだったんだ。


俺はと言えば、その小夜にすら似つかわしくないくらいに醜男だったのは確かだった。


各学年が一クラスしかない片田舎の小さな小学校。


教員の人数も知れたもので、低学年の内は同じ担任の教師が担当する方が生徒一人一人を把握出来ると言う事なのだろうか、ずっと同じ担任の教師だった。


なので、その担任の意向が強く反映されたのだろう。


クラス内での机の配置は、担任の偏見や大した意図もない、仲の良さそうな仲間同士が近くに集められる様な席順に配置されていたのだ。


つまり、頭の良さそうな子とか、やんちゃな子、

そして、可愛いくない子と不細工は子がなんとなく寄せ集められた席順が常だった。


定期的に席替えはなされてはいたが、俺の周りの顔ぶれは殆んどかわらなくて、絶対、必ず俺と小夜は隣同士か前後の席で、常に直ぐ側の席で六年間を過ごして来たのだ。



俺は小夜を女として意識はしていなかったんだ。


なにせ、常に近くに居る存在で、当然だが家族ではない。

兄妹的な親密さはなかったが、かと言って親友の様な友情の心情も抱いてはいなかった。


俺は、ちょこちょこと小夜に対してちょっかいを出していた。


と言っても、別に虐めと言う分けではなく、からかうと言った感じのじゃれあってる的な感覚で、それをされている小夜も、面目上は嫌がってはいたが、それに対して怒る様な事はなかったし、楽しそうにはしていたんだ。



放課後とかにも、一旦家に帰った後に一緒に遊んでいたりもしていたんだ。

×

非ログインユーザーとして返信する