敗北者のブログ

長年生きて来たぢぢぃの独り言

未刊の小夜 2




俺は、無茶な恋愛をして来たんだと思ってる。


まだまだ子供だった中学の頃には、

彼女を可愛いとか好きとかの基準ではなく、ただただ性欲の吐け口としか扱っていなかった。


求めれば、場所や時間の状況が許される限り必ず、どんな要求にも応じてくれたし、応じさせてしまっていた。


あれは、俺の彼女だなんて、恋愛をしてただなんて言える様なモノではなく、自分の性欲から涌き出た好奇心やエゴだらけを、彼女の俺が好きだって弱みに付け込んでおもちゃにしていただけだった。


それでも、不思議なモノで、自分の思い通りになってくれる彼女の従順さからなのだろうか、それとも、多感な成長期に見せるサナギから蝶への変態的な容姿の変貌を目の当たりにした為なのか、

彼女を雑に扱いながらも何時しか俺は彼女を愛していたんだ。


思い遣りや労りなんて、まだ子供だった頃の俺にはなかったんだ。


彼女は俺を好きだと言ってくれて、付き合って欲しいんだと、側に居たいんだと言ってくれていた。

その気持ちに付け込んで、彼女の体をおもちゃ以下の道具として扱ってしまっていた。


こんな下劣で屑な酷い男と付き合っていても、女とは、あれ程までの変貌を遂げる恐ろしい生き物なんだと尽々思い知らされたんだ。


彼女は月日を重ねるに連れて、見事な変貌を遂げて、ブスで可愛いくもなかった少女が、素敵な女性へと成長して行った。


気が付けば、何時しか俺は彼女の虜になっていた。


しかし、彼女の立場は、美貌と従順で素直な性格から誰からもチヤホヤとされる様になっていて、

その頃には、俺なんかはとても、もう彼女の彼氏などと言う立場になんかにしがみ着いてはいられなくなっていたんだ。



そして、高校への進学と共に別れてしまい、連絡を絶ってしまった。


その後の消息は全く分かってはいない。



何年かに一度は同窓会の案内が届くのだが、そんな酷い仕打ちをしていた事を知っている同級生が何人もいる中に、俺が出席できる筈もなく、同窓会には一度も顔を出した事がないんだ。



小夜には、本当に申し訳ない事をしていまったと、今でも後悔しているんだ。

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