敗北者のブログ

長年生きて来たぢぢぃの独り言

枕の悲哀




この枕はいったいどれだけ

彼女の呻き声を

飲み込んだのだろう

時は掻き毟られ

またある時は噛み付かれながら

彼女の快楽と共に

ずっとこのベッドに君臨していた



長い黒髪を纏う事を失った

少しくたびれた枕は

その残り香さえも

もうすっかりと手放して

行儀良く俺の隣で

息づく事なく

ただ置かれているだけになって

俺と一緒に

淋しさを分け合っている

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