指切り
跡形もなく
燃え尽きてしまったんだと、
誰かが私を諭してる。
そんな筈はないと、
心の何処かで
救いを求める様に願ってた。
指切りの小指が絡まった時に
息が止まる様な口づけを
見舞われた私には
あの約束がまだ生きていると
今でも信じて止まない。
あの時に目を開いて
瞳を見つめていたら、
その真実が見えていたかも
知れないのに、
固く結ばれた小指の契りと
求められた唇に
我を見失っていた。
夏至の夜に浮かぶ月の儚さに
夏間近の夜風が暑かった。
だから信じ切るんだと
自分に誓えた。
短い夜の一瞬に
一生を賭ける契りを結んで
そして今でも
それは私を縛ってる。