敗北者のブログ

長年生きて来たぢぢぃの独り言

2021年1月のブログ記事

  • とあるおばさん 2

    「ねぇ、良かったらで良いんだけどね、 本当に、嫌だったら断っていいんだから ね、こんなになっちゃった女になんか、 なんの価値もないのは解ってるから」 卑下にしか聞こえなかった言い訳に、 妙に腹が立った。 昔とは言え、自分の彼女だった女が、 誰にでも自慢出来た彼女だった女が 今では、価値のない女なん... 続きをみる

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  • とあるおばさん 1

    もう数年前の話しです。 会社の用事で、会社近くの銀行に 行った時の事。 窓口で手続きをして貰って居る間の 待ち時間に、3~4人掛けの椅子に 座っていると、 一人分を空けない程度の間隔に 一人の、いかにも場末の飲み屋に 居そうなおばさんが腰掛けたのだった。 俺は、特に気に掛ける事もなく、 床に視線を... 続きをみる

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  • だってバカなんだもん 3

    俺は彼女と別れた。 その日を境に、一切の連絡を取らなくなってしまった。 その日の午後は、やけに夕陽が眩しくて田舎の寂れた駅舎の向こうには、果てしない畑が広がり、遥か遠くの山々の谷間に、まだ茜にも染まり始めていない太陽が、俺を嘲り笑うかの様にゆらゆらとくゆっていた。 「今まで、ありがとね。」 ありが... 続きをみる

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  • だってバカなんだもん 2

    ほんの少しの勉強で、俺はアッと言う間に学年の上位の成績になり、いつの間にか2位3位になっていた。 とは言うものの、なんせバカばっかりのグズ高校。 普通の高校と比べれば、下の下ランクでしかない。 偏差値が幾つなのかも分からない始末。 大体偏差値なんて言うモノは学力を表す数値なんだから、我が高校には不... 続きをみる

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  • だってバカなんだもん 1

    そうか、そうなんだと 今更ながらに気が付いた。 このブログには、 皆様はエッセイを書いている。 こんな事に今更になって 気が付くなんて、 なんて間抜けなんだろうかと 我ながらにして自分の愚かさに 驚いてたりする。 文章を書く事に苦労をしたのは、 大学を卒業する為の論文を 書かなければ成らなくなった... 続きをみる

  • 胡蝶蘭

    何故、 こんなにも苦しいのか? ただ寝顔を 見ているだけなのに。 何故、こんなにも 狂おしいのか? 安らかな寝息が 聞こえているだけで。 どうして、 これ程までも 愛されてしまったのか? どうして、 こんな事が出来るほど 夢中になれるのだろう。 いったいこの俺の何処に そんな価値が あるのだろうか... 続きをみる

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  • あの娘は、

    あの子は泣かないかも知れない。 心が凍り付いて、 泣けなくなるかも知れない。 逆に、俺が泣くかも知れない。 心が無くなって、何も感じずに、 無表情のまま ただ涙だけを垂れ流すのかも 知れない。

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  • おい、月よ。

    闇を裂く鋭さを持たない ぼやけた月が群雲に 追い立てられて 東の隅っこで泣きべそを かいている。 そこがお前の居場所なのか。 惨めだよな。 そんな姿でも 俺を笑う積もりなのか。 お前には そんなに俺が 惨めで情けない奴に 見えるのか。 そんなに無様に 映るのかよ。 応えろよ月。 いつも表の顔ばっか... 続きをみる

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  • 早苗

    いつもと違う筆圧の高い丸文字が、 丁寧に並んでいた。 夕暮れの茜色が射し込む窓際の 机上には、何枚かの便箋だけが 重なり、 ムッとした熱気で部屋全体が 揺らいでいるように見えた。 視線を便箋に落とすと、 見慣れたはずの丸文字は、 硬い表情を隠しきれずに 俺に語り掛けている。 窓を開け放つ手が便箋に... 続きをみる

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  • 女優の愛人

    元々、それ程明るい人柄ではなかった筈の彼女。 俺と出逢うまでは、例えば小中高の卒業アルバムを見てもオカッパ頭の俯き加減で笑っている写真が殆んど写っていない、可なり暗めな女の子。 分厚い卒アルなのに、数々のイベントや思い出が沢山残されている卒アルなのに、そこに登場する彼女は決して中央に居る事がなく、... 続きをみる

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  • 磯釣り師

    釣り針も付けずに磯竿を立てる 何も考えずに、ただひたすら ぼーっと過ごす磯釣り師 BGMは岩に砕ける波の音 うねる海面に心が 深く静かに沈んで行く 冷たく、暗く、漂う心 何も見えず、 何も聞こえ無くなった時 愚かさも酷さも何もかも 全てを封じて心が閉じる 風もない凪ぎの磯で一人 釣竿の穂先を眺めて... 続きをみる

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  • だけど、独り言

    もう一人の俺が言っている お前のせいじゃない、と 幾多の分岐点はあったけど そのどれもが、二択ではなく 決まっていた岐路だったんだと しかも、その全てが正解だったと そうするしかなかったんだと それしか選べなかったんだと お前は常に正しく、 当たり前の道を歩んで たどり着いた結論。 お前は悪くない... 続きをみる

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  • ノーモーション

    ありのままの恋心を 素直に真っ直ぐに 投げつけられた。 余りにも突然に なんのモーションもなく いきなりの全力投球だった。 身動きが取れずに 剥き出しの裸の心が、 直球のストレートを まともに食らってしまった。 両手を構えている余裕など 全くなかった。 心のど真ん中に投げ込まれた なんの飾り気のな... 続きをみる

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  • そこにいた彼女。

    仏壇に上げたお線香の灰が、 くるんと丸まりながら、 燃え繋いでいる。 それは仏様が喜んでいる 証しだと、 何処かで聞いた覚えがある。 遙々と、この遠い港街の外れまで 長い時間を掛けて始めて訪れて来た。 彼女の生まれ育った穏やかな景色。 あれから三年。 忘れる事など出来ず、 亡くなった事実からさえも... 続きをみる

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  • 負のスパイラル

    もうこれ以上 続けてはいけないんだと思う。 俺は、お前と別れようと思う。 共に破滅と言う名の 冷たい沼の中で、 二人が二人だけに なってしまうから。 お前だけの俺ではないから。 俺一人でお前を抱え切れないから。 お前の望みには、 応えられないから。 応えられない俺を庇う様な笑顔を、 みてるのが辛い... 続きをみる

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  • IWハーパー

    IWハーパーのボトルが 殆ど減らない夜に 浅く座ったソファーで俯いて 深いため息が一つこぼれ落ちた 短いプリーツスカートから スラリと伸びた綺麗な素足が ため息を軽やかに踏み潰して 鼻唄と共に離れて行く。 ロックの酒がこんなに苦いなんて いったい何年振りだろうか アートテイタムの連打が 痛いほど心... 続きをみる

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  • 孕みたい。

    全裸ながら凛とした佇まいで 目の前に立つ彼女は、 その決意を露に示す眼差しを 真っ直ぐに俺に向けて言った。 「貴方の赤ちゃんが欲しい」 と、 両手をお腹に当て子宮からの 叫びに従う様な聲が 俺の心に突き刺さった。 禁断の決意が女の性と業で 結実して剥き出しになる。 俺は戸惑いや驚きよりも、 抱いて... 続きをみる

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  • 誤解してるよ。

    それ誤解してるよ 誤解しててもいいんだけど 誤解してるって事を 理解して誤解しててね じゃないと誤解じゃなくなっちゃうし 誤解してる事に疑問を持っちゃう それで 誤解じゃない様にしたくなるでしょ そうなると真実を知りたくなるから 誤解から離れちゃうじゃん 誤解してた方が良い事ってあると 思うんだ。... 続きをみる

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  • 夜景に孤独

    この広い都会の中で、 誰一人として俺を知らないなんて そんな孤独を感じていた。 窓の下に無限に拡がる大都会の 瞬く夜景。 その一つ一つの灯りには 理由があって、 会話や笑顔が照らされてる筈なのに、 硝子に映る俺の影は、 今日も一人ぼっちで 何も聞こえては来ない。 たった一人の大切な女が、 この場所... 続きをみる

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  • たった三千円

    苦労を知らない 透き通った白い肌をした手。 派手ではないけど 何処か華やかな彩りを あしらったネイル。 手首には細くて鋭い輝きを 放つプラチナのブレスレット。 右手の指には キラキラの宝石。 それなのに、何故か 薬指には 安っぽくて野暮ったい 鈍色の指輪。 それが俺なんだ。

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  • 完全武装

    デスクの横でなぜしゃがむのかな? 前髪命の娘は 上からのこの角度が一番可愛いのを 知っててこれだよ。 書類を抱く様にかかえれば 胸の谷間も上からは ばっちりと出来上がり。 むっちり太腿に タイトなスカートも ぴったりフィット。 おパンツラインもクッキリと 鮮やかに。 綺麗な膝を並らべたら 完全武装... 続きをみる

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  • 虹に

    虹に向かって歩いていたの。 二人手を繋いで 暖かい向かい風の中 歩幅は合わなくても 髪はちゃんと規則的に揺れて 香るシャンプーに 満足してた。 キラキラ、サラサラ 輝いて、 七色を映して貴方に届け 行く先が例え雨だとしても この瞬間に、 感じてる幸せが 私の全てだから 許して上げるんだ ちょとぐら... 続きをみる

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  • 内線

    デスクの電話がけたたましく鳴り、 内線の受信が入る。 やけに明るく楽しそうな声が 受話器の向こうではしゃいでる。 この娘はいつもこうなんだ。 仕事上では 関わりのない部署からの内線電話。 「東の空を見て、虹が出てるよ。 なんか良い事あるのかな。 例えば。。。 二人で飲みに行くとかね。 なんちゃって... 続きをみる

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  • 切符

    手のひらの片道切符には、 行く先は書いてません。 何処に行くのか、 分かりません。 誰と出逢うのかも、 分かりません。 ただこの切符を 手渡してくれた、 あなたの気持ちは、 生きている限り 感謝し続けます。

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  • 大丈夫だよ。

    何処にだって行ける。 誰とだって話せる。 何時だって笑える。 だって私は生きているから 素敵なあなたと出逢えたから あなたが私をこんなに変えたから 素直になれる。 優しくなれる。 もうなにも怖くない。       ありがとう                あなた。

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  • 癒しの奥

    言霊を宿した癒しの言の葉は、 あなたの心に 暖かい温もりと言う名の 種を蒔きます。 その種は四季を問わずに 即座に芽吹き、 麗らかな優しい雨に恵まれて、 とてもたおやかな花を 心の隅々にまで咲かせます。 その言の葉を手向けてくれた人が、 あなたの思い人ならば、 花は心一面に咲き誇り続け、 枯れる事... 続きをみる

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  • 日記

    見慣れた綺麗で 丁寧な文字が並んでる。 書き著しているのは 二人の生活の出来事。 君らしい視点が 俺を視ていた日常は、 なんて純粋な真心に 包まれていたのだろう。 俺はどうして、 こんなにも溢れていた愛を 棄てられたのだろうか。 手を伸ばせば 指先が斬れてしまいそうな 鋭い上弦の三日月が、 瞳を伝... 続きをみる

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  • 日々是記念日

    半世紀以上もだらだらと生きていると、人間として色んなしがらみってのが、ごちゃごちゃわさわさとしがらまっちゃってこんがらがってしまっている事に気が付いたりする。 例えば一年てのは、ご存知365日間もあったりする。 これが意外に長いのだが、 その長きに渡る一年間を過ごして居る間に、ある月のある日にふと... 続きをみる

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