敗北者のブログ

長年生きて来たぢぢぃの独り言

敗北者のブログの新着ブログ記事

  • エリカ 1

    今でこそ、携帯と言う魔法のツールが存在している時代なのだが、 太古の昔は、家の中か街中の公衆電話くらいしか連絡手段がなかった時代が存在していたのである。 待ち合わせの時間と場所を家の電話で話し合って出掛け、落ち合わせてデートをする。 一歩、外に出てしまえば、例えば電車の遅れや交通渋滞で待ち合わせの... 続きをみる

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  • ご指導ご鞭撻

    時々、浮気や不倫を書いてる事が許せない方からのダイレクトメッセージを頂きます。 どうやら、私の書いている不倫の内容が不快に感じられる様で、どうしても許せないとのご指摘をされておりまして。 幸せそうな家庭を持ちながら、その裏では年齢の離れた若い愛人がいて、普通ではない肉体関係を持っている。 そんなふ... 続きをみる

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  • コロナ事変 5

    「待っている。」は、 時間を引き算しながら、時の経過と共にやがては訪れて来る、その時間に近付いて行く気持ちの待ち遠しさがあるけど、 別れてしまえば、時間は足し算になってしまう。 別れた瞬間から、どんどんと自分に時間が積み重ねられ足されて行く。 戻らない、戻れない時間が足し算されて行ってしまう。 背... 続きをみる

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  • コロナ事変 4

    そんな生活環境の変化をひろみに話をしているのだが、俺の行動パターンが変化をしたと言う事は理解してくれているらしい。 しかし、これまでのひろみの人生に於いて、労働により賃金を貰うと言う、いわゆるバイトや会社員などの賃金労働経験が全くないお嬢様には、この人生の不公平感はいくら説明をしても細かい気持ちの... 続きをみる

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  • コロナ事変 3

    そんな暮しが、このコロナ事変に見舞われて一変してしまった。 自宅から車で30分。 自社部品の製造工場への移動を任じられ、あっさりと転任。 温情溢れる人事異動に文句など称えられるわけもなく、へこへこと従うしかなかった。 なんせ今年で定年を迎える老人。 況してや、このコロナのご時世に会社を辞めて、この... 続きをみる

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  • コロナ事変 2

    だがしかし、この恩情溢れる人事異動は、俺に取って大問題がはらんでいた。 俺には本社近くの、その通勤途中に、俺の通勤途中だからと言う理由で、わざわざカノ地に引っ越しをしてくれた彼女が居るのです。 仕事の帰りにちょいと寄れる。 地方出張にもサッサッと同伴旅行が出来る。 本社の目と鼻の先の駅近くにわざわ... 続きをみる

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  • コロナ事変 1

    俺はここ一年足らずの期間、仮想世界に迷い込んでいるのかも知れない。 そんな錯覚を覚えてしまっている。 そう去年の今頃だった。 このコロナの影響で会社の業績が悪化の一途を辿って、保身的処置を取り始めた。 何よりも、収益をもたらさなくなった穀潰しの部署に成り下がった我が部署は、あっさりと解体されて、本... 続きをみる

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  • プロポーズ

    くしゃくしゃに歪んだ唇。 はみ出した口紅が 口の周りを汚してるし、 むやみに指で擦ったから、 長い睫毛が 目蓋に貼り付いちゃってるし、 鼻水まで垂らして、 髪の毛がくっついてるじゃん。 なんだよ、 お前って、こうやって間近で見ると すっげぇ~ブスだよな。 ごめん、 無茶苦茶に可愛いって言ってたのは... 続きをみる

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  • 寸劇

    閉まったドアに パーの手の平を貼り付けて、 「さようなら、ありがとう。」 唇がそう動いている。 応える言葉が見付からず、 上手に笑顔が作れない。 いいや、 こんな時に笑えないのを 知っているはずだから。 唇が震えて歪んでうつ向いて、 それでいて、 確りと瞳は俺を見据えている。 グーになった拳には、... 続きをみる

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  • 傷跡

    流した涙の数だけ 俺の嫌な所を知っている 笑った笑顔の数だけ 側にいたはず 喧嘩の数だけ 許せる事を学んだ 駆け引きの遣り取りで 思い遣りを感じた 期待させた分だけ ガッカリさせたし 埋め合わせもした その足跡の数だけ 想い出は 傷跡になった

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  • 花が

    この季節 あちらこちらで色んな花が 咲き乱れている 誇らしげに美しさ、儚さ、可憐さを 精一杯に主張するかな様に だけどごめんな 俺の彼女の笑顔には お前らなんか どう頑張っても叶わない だって 俺の彼女だから

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  • 名残り桜

    通過列車の巻き起こす 乱暴な横風で 聞き取れなかった 多分、 「ありがとう。」 名残り桜のまばらな花吹雪が ホームに舞う こんな季節を選んだあなたには その笑顔、 この暖かさが良く似合ってる 残された数分間の二人の視線を 横切って行く僅かな桜

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  • 緊急事態の中で

    この季節、 夕方の5時位の時間帯はまだ外は 明るく太陽も夕日とは言い難い高さで、 間近のビルの隙間に挟まっている。 真っ白なレースのカーテンが 大きな一枚ガラスのテラス窓で輝いて、 リビングの中に陽射しを反射させて 夕方の雰囲気などは全く感じさせない。 それでも、 壁に掛かっている きらびやかな仕... 続きをみる

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  • ショートショート 3

    掴まれた人差し指が 汗ばんだ掌の中で 貴女の嘘を感じてる 綺麗な唇が歪んで 震え出すのを 俺は こんな間近で見た事が なかった

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  • ショートショート 2

    なんの為にそれがしたかったのか 絶対に怒っている筈なのに 喧嘩覚悟で切り出した 不条理な要求の後 もしかして 噛み切られるかも知れない口に びくびくと預けた恐怖の逃げ腰 とても発射など出来なかった

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  • ショートショート 1

    いや、 ノーブラでもいいけど シートベルトはちゃんとして いや、 ミニスカートでもいいけど 脚は閉じてろよ いや、 酔っててもいいけど 寝ちまうなよ いや、 右手は伸ばしてもいいけど 触るだけだぞ いや、 口でもいいけど 出させるなよ いや、 そこまでやるなら 抱かせろよ

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  • 不法投棄

    親ってのは、誰かさんと誰かさんがXXしておぎゃ~って産まれた子を育ててるのが親であって、それ以上でもなければそれ以下でもない。 本来は育て方に教科書なんてないんだよね。 親だろうが他人だろうが、おっぱい飲ませて飯食わせてりゃ子は育つ。 そこに育児だの教育だのがくっついて人間が作り出されるんだ。 正... 続きをみる

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  • 信じらんない

    何をして貰ってるのかは 分からなかったけど、 こんなに凄かったのは 始めてだったよ。 記憶と理性が飛ぶまでが 最高だった。 信じらんない。 いつ意識を失ったのかは 覚えてないけど、 どんなに凄かったかは 今でも躰が覚えてる。 震えが止まらないもん。 ほんとに、信じらんないよ。 この疲労感が堪らなく... 続きをみる

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  • 急ぎ雲

    青白い空を 西の茜から 逃げる様に疾走する急ぎ雲。 群れを成したり、 独りぼっちだったり、 家族だったり。 みんな、 なんでそんなに 急いでいるのかな? 高いビルの遥か向こうの高い空を 電柱だったり、看板だったり、 信号機だってありはしない空を みんな急いで流れて行く。 深い底をゆったりと泳ぐ ク... 続きをみる

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  • 俺達は親友なんかじゃなかった

    他人を傷付ける事を極端に嫌って、柔らかく温かな人柄だった友人が久し振りに会った時には、粗暴で気遣いの出来ないやんちゃな奴に変わり果てていた事がある。 本人は、俺は何も変わっていない。と話しているのをどう受け止めたら良いのかに皆が戸惑って、その場の空気が苦く切なくなり、誰一人としてそこには触れられな... 続きをみる

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  • 桜の花びら

    絶え間なく降り注ぐ桜の花びらの中で、 白く明るい花曇りの空と、光る海を見下ろしながら、のんびりと三浦半島の岡の上で過ごして来たよ。 平日だったから、人出もまばらでゆっくりと二人切りで過ごす事ができたんだ。 ほぼほぼ素っぴんで、何故か飾り気のない白いブラウスに薄手のジャケット。 短めのタイトなスカー... 続きをみる

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  • 勧善懲悪

    何かが始まっている分けでもない 貴女の為に、 そうしようと 思った分けではないのだけれど。 自分に対しての言い訳としての 大義名分がなければ、 自分自身を勧善懲悪の悪役に なってしまいそうなので、 己れの正統性を保つ為に 誰かの為にしているんだと言う、 正統性が欲しかったのかも知れない。 勿論、 ... 続きをみる

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  • 独りよがり

    闇の深い夜に、 救いたいと願う言葉を 幾重にも重ねて綴り、 貴女に送り続けていた。 ただ思うがままに、 元気づける無責任な言葉を なんの覚悟も持たずに 笑顔になるのを期待してた。 追い詰めていたのかな? 重荷になっていたのかな? 俺は、 理解なんてしてなかったよね? 押し付けられた優しさ程 逃げ場... 続きをみる

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  • 水墨画

    聞こえて来る筈の音が 部屋の中まで聞こえて来ない 不自然な昼下がりだった。 静寂を装った雪の音色に包まれている。 ホテルの目の前を走る車は、 皆、ゆっくりと慎重に流れていた。 まるで真綿を敷き詰めた様な 暖かそうな景色には、 誰の足跡も残せない真っ白な拒絶と 全てを包み込んで自由を許さない 厳しさ... 続きをみる

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  • それまでの俺

    なぜ、 こんなに似合わない翳りを 纏っているのだろう。 儚げな可愛らしさに 冷たい蒼い陰が、 滲み出していた。 この表情が 無邪気に笑うと、 どれだけ 可愛いくなるのだろう。 このどことなく 幼さが残る顔立ちが 笑顔になったら どれだけ可愛いのだろうか。 心のざわつきが 抑えきれない。 無理に平静... 続きをみる

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  • 美人さん

    俺の立場からすれば彼女はなんの為に、そんなに念入りにお化粧をして髪の毛をセットして着飾って、ミュールの指先にまで彩りを添えて、完璧になろうとするんだろうな?って思うんだよね。 だって、さっきまでバサバサの髪の毛で、枕を頭の上に乗っけてだらしなくウダウダしてたじゃんよ、それじゃ別人じゃん。 いったい... 続きをみる

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  • 淋しいよ。

    「淋しいよ」声が聞こえた気がした。 それでも、話しをしている彼女の口から語られているのは、たわいのないいつものショッピングに出掛けた時の話し。 気に入ったスカートを見付けて、店員さんとの会話がちぐはぐだったとか、値段が高い割には、素材が良くなかったとか。 数日前の夕食に食べたパスタの麺が固かったと... 続きをみる

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  • 女子の怖さ

    最初に女の恐さを知ったのは、中学一年の夏だった。 小学時代の同級生に告白されて、断った。 小学生の頃は仲良く親しかった友達だったが、顔はお世辞にも可愛いくはなく、いわゆるブスと呼ばれる部類に属していた。 俺に取っての彼女の存在はあくまで、同じクラスの同級生で、気軽に好き勝手な事が話せる身近な女子で... 続きをみる

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  • 男女の性欲差

    男の方が表だって女と セックスしたいだの 抱きたいだのと口にするけど、 実際問題、 男は騒ぐ割にはレベルが低く、 それに比べて女の場合は、 長く付き合って来た男に 開発されてる女の性欲は男の したさに比べたら その比は半端なモノではない。 なんせ男は出せば落ち着く。 だが女はイクからが始まりで、 ... 続きをみる

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  • ほふられた雪中桜 転

    なんて綺麗な形をしたオッパイをしているんだろう。 キャミソールを躊躇いもなく、潔く脱ぎ去り淡いピンク色をした花柄の可愛いブラは決して大きな内容物などは抱えてはいなかった筈なのに。 意外に大きいんだね。 余計な感想を口にしてしまった。 少し恥じらう様に片手で隠して、はにかむ様な笑顔を浮かべて、上目遣... 続きをみる

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  • ほふられた雪中桜 生

    雪はより一層大粒になり、ヘッドライトに貼り付き始めたのか前方を照す範囲が狭くなって来ている様に思えて来た。 を行き来しているワイパーも掻きよけた雪を固まりにして溜め込んでしまって、端っこの視界を妨げてしまっていた。 気象状況は可なりの悪化を辿っているのは確かだった。 やっと市街地を抜けて、町外れの... 続きをみる

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  • ほふられた雪中桜 起

    今でこそ、携帯と言う魔法のツールが存在している時代なのだが、 太古の昔は、家の中か街中の公衆電話くらいしか連絡手段がなかった時代が存在していたのである。 待ち合わせの時間と場所を家の電話で話し合って出掛け、落ち合わせてデートをする。 一歩、外に出てしまえば、例えば電車の遅れや交通渋滞で待ち合わせの... 続きをみる

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  • 屁理屈

    100%の信頼感から来る近接した男女間の精神的な距離は、礼儀や遠慮などを一切省かれた、もう一人の自分とも思える親近感を持って相対しているものだったりする。 勿論、そこに感謝や喜怒哀楽の心情的な交流は存在しても、あえてそれまで省いていた感情を言葉にして、表情に現してまでの表現をする手段を選ぶのは、そ... 続きをみる

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  • 野獣の如く

    当たり前ではいけない日常を手に入れてしまった罪悪感から逃れ様として俺は、彼女の体を必要以上に苛み求めてしまっていた。 いつも以上の激しさに彼女の身体が軋んでいる手応えが伝わって来ている。 こんな暴挙を彼女に与えてはいけないと、 自制する声が心に響いているのに、攻め立てる腕はその動きを止めなかった。... 続きをみる

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  • 小夜-1

    中学一年の時に、生まれて始めて彼女と呼べる存在ができた。 切っ掛けは、極単純な理由だった。 俺の住んでいる場所は、野山に囲まれてはいないけど、そこそこの田舎町で小学校は、各学年一クラスしかない小さな小学校だった。 つまり、小学校に入学してから卒業までの六年間にクラス替えなどと言う顔ぶれの変化がなく... 続きをみる

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  • 後悔の始まり。

    それから、どれだけの時間が過ぎたのだろうか。 スマホの画面に明かるくなって、通話終了の絵柄が表示され、やがて真っ暗な闇が訪れた。 ぼんやりとした部屋の灯りの中に、時計の音だけが静かに単調に降り注いでいる。 脳裏には、目の前で目を擦っている彼女の姿が、手を伸ばせば触れられるように浮かんでしまっている... 続きをみる

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  • 三美神

    両手を広げて天を仰ぎ見れば、 私の頭上には青空が満ち溢れている。 東風なのだろうか? 掌に心地好い風圧が絡み、 体が軽さを帯びて来る。 そして柔らかな風が 適度に遮られ 私の両腕には、 真っ白な翼が現れる。 どこからなのか、 遥か天の遠く彼方から 私を呼ぶ声が奏でられ、 心の底に木霊し始める。 何... 続きをみる

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  • 水墨画

    聞こえて来る筈の音が 部屋まで聞こえて来ない。 静寂な雪の音色に包まれている。 まるで真綿を敷き詰めた様な 暖かそうな景色には、 誰の足跡も残せない真っ白な拒絶と 全てを包み込んで自由を許さない 厳しさが見えていた。 窓の外に広がる水墨画の様な 色彩を失なった色調の景色。 それを静かに佇み眺めてい... 続きをみる

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  • いつもの夜に、

           会社から帰って、アパートのドアを開けると、真っ暗闇の部屋が私を拒むかの様に冷たく迎え入れる。 手探りで、スイッチを入れれば、朝の慌ただしさをそのままに残している景色が照らし出され、窓の外の明るさだけが失われた夜特有の匂いが漂っている。 LEDの妙にわざとらしい冷たい白い蛍光灯の光が照... 続きをみる

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  • 性癖の恐さ

    これは、俺がある人に宛てたダイレクトメッセージとして書き始めた物だったんだけど、途中から独り言の様なものに変化してしまったので、ここをゴミ箱として使わせて頂きますので悪しからず。 って、悪しからずらないよな、こんな行為は。 俺って、バカだよね。 こんなに可愛い女の子が、住所まで教えてくれて会いに来... 続きをみる

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  • ありがとう。

    「ありがとう。」 この頃、なかなか会えなくなってしまっている彼女とデートをしている時、 彼女が良く口にする様になった気がする。 今まで、彼女はこんなに頻繁にこの「ありがとう」を俺に対して言っていただろうか? ふと、小さな不安と共に、彼女の心の中にある僅かな綻び(ほころび)を感じる気がしてならない。... 続きをみる

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  • 夜空の情景

    ポロンと引っ張り出されて、この季節の冷たい風に曝されて、ちょっと冷えてしまった強張りが柔らかく暖かい温もりに包まれる。 半分しか姿を見せていない月が真上にある、真夜中過ぎの公園のベンチの端に座った俺は、夜空を仰ぎ視ながら太股の上にある黒髪を優しく撫でていた。 ゆっくりと丹念に包み込まれて行く暖かな... 続きをみる

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  • 現彼女と次彼女

    我が儘を言ってくれる。 我が儘を言って来る。 ってのは、俺に対して遠慮が無く、気兼ねせずに自由に自分の要求を伝えられているって事で、ある意味では心を許しているって事であると言う反面で、それだけ不満を抱えてしまっているって事の現れでもあるんだろうと思う。 一方、言いたい事が、多分、沢山あるのだろうと... 続きをみる

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  • 笑顔の天秤

    覚えて居たくないのに 思い出になってしまうだろう瞬間が 繰り返され記憶に刻まれて行く。 君が笑っている。 はしゃいで、嬉しそう。 去年の今日も同じ様に チョコレートを片手に あの改札口からにこやかに 駆け寄って来て 嬉しそうに笑ってくれた。 バレンタインもクリスマスも、 誕生日も出逢いの記念日も、... 続きをみる

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  • お口直し

    暗い暗い裏路地ばっかり歩いて来てしまいましたので、ここらでお口直しの、毎度バカバカしいエッセイでも、、、 男と女が出会って、お互いに惹かれあって恋愛が始まるんだけど、最初の頃は恋心ってのがあって、盲目的に相手を好きになってるから、相手の何でも、どんな部分も好きで、許せるし受け入れられるよね。 だけ... 続きをみる

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  • 過ち-清算

    お願いだから、 泣いてくれ。 頼むから、 その無表情は止めてくれないか。 そんな感情のない無表情で、 こんな話しを聞かないでくれ。 俺が今、投げつけている言葉は、 そんな顔で受け止める 話しじゃない筈だ。 お願いだから泣いてくれ、 怒りを露に叫んでくれ、 そして、 構わず話しを遮ってくれ。 こんな... 続きをみる

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  • 過ち-炎

    燃え拡がる私の恋心 消えない炎が赤く隅々にまで どんどん燃え盛って行く。 隙間なくひしめき合い 絡み合う炎は渦を巻き 真っ黒な黒点を 私の心に生んでいる。 この熱いあなたへの思いは もう閉じ込めるなんてできないよ。 この胸を突き破って 噴き出してしまいそうなの。 その時、 あなたには真正面にいて欲... 続きをみる

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  • 過ち-3

    私には居場所がなくて 生きていたくなかったけれど かと言って死を選ぶ気には なれなかった。 だけど、死ぬ事には 躊躇う未練も持っていなかった。 いつまで経っても 軽やかな心が手に入るわけでも 生き辛さがマシになるわけでも なかったけど、 しつこく側に居るあなたは 誰にも言えなかった苦しさを 静かに... 続きをみる

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  • 過ち-2

    限界になっているのに 助けてと伝えられる人が 私の傍に誰もいなくて、 それを話せる人が 何処にもいなかった。 生きているのが辛いのに、 それを誰かに理解して貰おうと していなかったし、 誰に話せば良いのかも分からず、 何をどうすれば良いのか 考えようとはしなかった。 今居る場所が、 自分の居場所だ... 続きをみる

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  • 過ち-1

    今まで、何が見えていたのだろうか? すっかりと結露してしまった窓ガラスを手の平で一掃して、外の風景を改めて眺めて見たものの、そこから見える景色は、重苦しい曇り空と寂れた冬木立しか見えやしなかった。 いったいいつ頃から、俺の生き方はこんな景色になっちまったんだろうか。 確か、新緑と草花の間を薫風が漂... 続きをみる

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  • 独り言 14

    好きな人から「頑張れ!」って言われたら、もの凄い頑張れる。 「もう無理だ」って思った時にそれでも「もう少し頑張ろう」って思わせてくれる存在を大切に。 上手く生きられない時もあるよ。 この道で良かったのか迷っちゃう時もあるよ。 過去の後悔から抜け出せなくなる時もあるよ。 勇気が出なくて一歩を踏み出せ... 続きをみる

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  • 独り言 13

    全員を納得させられる生き方なんてありません。 誰かの言うことを聞けば、他の誰かに非難されます。 誰かの為に何かをすれば、他の誰かにガッカリされます。 あなたは他人のご機嫌を取るために生きているのではないんです。 自分の心に従って、生きてみませんか。 好きなまま別れちゃったら、 その人を超える人はも... 続きをみる

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  • 独り言 12

    優しい人が怒らないのは、 腹が立たないからではなくて、 我慢強いからです。 むしろ、 普通の人よりも繊細で傷つきやすかったりします。 笑っていても、平気な顔をしていても、一人の時に泣いてます。 「この人は怒らないから何してもいいや」と勘違いしてはいけません。 優しさに気付けるのは優しさなのですから... 続きをみる

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  • 独り言 11

    病みやすい人は、 自分への期待が高すぎるのです。 「こうあるべき」と勝手にハードルを高くして、 越えられない自分を責めてしまうのです。 完璧じゃない自分も認めてあげませんか? 出来なかったことを責める前に、 出来たことを褒めてあげませんか。 あなたの一番の味方は、あなた自身ですよ。 病んでしまうの... 続きをみる

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  • 独り言 10

    生きづらいというのは、 「自分らしく生きられていない」ということです。 もっと楽に生きたいと思う時に、 まずやるべきことは 「どうすれば自分らしくいられるか」を考えること。 「自分らしさとは何か」 自分自身について深く考えること。 自分を知らない限り、他人に一生振り回される人生になります。

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  • 独り言 9

    いつも笑っている人ほど過去に辛い経験をしていたりするし、 普段愛情を口にしない人ほど一途だったりするし、 あまり喋らない人ほどいろいろな事を考えていたりするし、 見た目が派手な人ほど孤独を感じていたりするし、 良い人ぶっている人ほど自己中だったりする。 よく手を差し伸べる人が偽善者だったりもする。... 続きをみる

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  • 独り言 8

    上手く生きられない時もあるよ。 この道で良かったのか迷っちゃう時もあるよ。 過去の後悔から抜け出せなくなる時もあるよ。 勇気が出なくて一歩を踏み出せない時もあるよ。 病んでしまって何もかも嫌になる時もあるよ。 逃げ出したくなる時もあるよ。 死にたくなる時だって、 たまにはあるさ。 みんなそうだよ ... 続きをみる

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  • 独り言 7

    平気なふりしてもう限界。 何でもないふりして傷ついてる。 どうでもいいふりして悩んでる。 人間って辛い時ほど、 素直になれないものだから。 心配させたくなくて、 強がっちゃうものだから。 大切な人の痛みに気づいてあげてよ。 しんどい時は甘えればいいんだよ。 私はあなたの味方だからね。

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  • 独り言 6

    本当に助けて欲しい時にこそ、人は助けてって言えないんだ。 本当に辛い時にこそ、強がって平気なふりをしてしまってる。 本当に伝えたい気持ちほど、恥ずかしくて素直に伝えられない。 人間ってそういう生き物だよね。 だからこそ、周りの人の抱える気持ちに気づける人になりたいんだと思う。 苦しんでいる人に寄り... 続きをみる

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  • 独り言 5

    無理しなくていいよ。 人並みに出来ない事があっても、 自分を責めなくていいよ。 人と違ったって、迷わないでいいよ。 馴染めないのなら、そこはあなたの居場所じゃないだけだよ。 あなたの輝く場所は他にあるんだよ。 生き方なんて人の数だけあるんだから。 どうか、「あなたらしさ」だけは無くさないで。

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  • 独り言 4

    結局、「素の自分でいられる関係」が最強だね。 嫌われないように頑張っても好かれるわけではないし、 好かれたとしてもそれはあなたじゃないよね。 ありのままのあなたを受け入れてくれる人を見付けたら、 絶対に離さないで大切にするんだ。 偽りの自分を演じてばかりいたら、 本当の自分が分からなくなってしまう... 続きをみる

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  • 独り言 3

    別にモテなくてもいいから、 1人の人間に死ぬほど愛されたいな。 別に多くなくてもいいから、 心の底から分かり合える親友が欲しいな。 全員に理解されなくてもいいから、 あなたにだけは分かって欲しいよ。 あなたがいれば生きていけるよ。 あなたと共に生きていきたいな。 そんなあなたを見付け出したんだ私。

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  • 独り言 2

    いつでも会える距離でも寂しい思いしてるカップルはいるし、 遠距離でもいつもお互いの事を考えて幸せなカップルもいる。 毎日会ってても全然好きになれない人もいれば、 半年に一回でも会えばずっと信頼し合える人もいる。 結局大切なのは心の距離で、 物理的な距離じゃないよね。 特別な人って心で繋がっていられ... 続きをみる

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  • 独り言 1

    どうしようもなく寂しくなる夜があるよね。 何をしてても心が満たされない時があるよね。 何のために生きてるんだろうって考え込んでしまう事があるんだ。 誰の役にも立っていない気がするし。 誰にも信頼されていないのかも知れないって思う事がある。 憎んでいる人が、憎まれている人がいるんだろうなって感じたり... 続きをみる

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  • あなたへ 8

    どんな別れ方をしたとしても 一度でも好きになった人の悪口を言うような嫌な奴にはなりたくない。 その人を好きだった自分を信じていたいし、自分を裏切りたくない。 況してやその人の不幸を願うようなしゲス野郎になんかには絶対になりたくない。 その人と出会わなければ良かったなんて、素敵だった経験値を汚したく... 続きをみる

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  • あなたへ 6

    君は俺の良心たれ!と、 両頬を手の平で叩き、 作り笑顔の不気味さに 鏡の中に居る自分を嘘つきと ののしった。 これから向かう巾彼女とのデートに 我が心の嫌らしさが映り込み 余りに見知らぬ顔が 己の本心と知る。

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  • あなたへ 6

    人との会話にわくわくと期待を している時がある。 私はその人との会話の中に、 私が欲しがっている言葉を 手に入れるために人と話している 気がする。 傲慢な贅沢を欲しているのだ。 しかし、その会話の中に 私が聞きたくない言葉が混じると、 私への批判や不満が感じられると 途端に私は機嫌を損ねるのだ。 ... 続きをみる

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  • あなたへ 5

    まだこれからなんだから と何度言われたか、 何をしてくれる分けじゃないのに、 知った顔をしながら 絶望させる言葉を 平気でぶつけて来る。 私にはこれからなんて無くて良い、 こんな他人事の野次馬は ウザイだけだ。 もっと世界に必要な人が勝手に これからを生きればいい。 私の未来なんておまえに関係ない。

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  • あなたへ 4

    強い者が勝つのではなく 勝った者が強いと言われるのだ 例えそれがどんな勝ち方をしても 勝者の称号は頭上に載せられる それを認めさせる事が 風格を身に付けると言う事だ 先ずは勝って見せろ 話しはそこからが始まりだ 敗者の努力なんかは 誰にも認められやしない

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  • あなたへ 3

    物語が冷めない内に、 カフェで向かい会った パンフレットを広げた 指先がセクシーに見えて どうしても触れたくて 私にも見せてと 姑息だったかな私

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  • あなたへ 2

    彼女の何気ない一言に ぶん殴られた様な衝撃をうけた 俺の芯を的確に捉えている その言葉には 親しみや馴れ合いなどない 飾りも偽りもない 心の声そのものだった。

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  • あなたへ 1

    どれだけの痛みをいつまで 我慢しなければならないのかは 私には解らないけど 苦しみの摂取過多で 身動きが取れない私は 私を放置していて良いのだろうか

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  • 綿飴な貴方

    貴方にしか湧かないこの感情は、 貴方の名前を口にする度に 心にふわふわのわたあめが 膨らんで行くのね。 正直、ちょっと苦しいし 煩わしいの。 端っこに押し退け様とすると、 ぺたぺたと溶けてくっ付くし やるせない甘い匂いが 心の中いっぱいに広がって 息苦しくて切なくなるの。 ねぇ、一体なんなの貴方は... 続きをみる

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  • その音は

    悲しみの音量が大き過ぎて 呆れる程に涙が流れ続けた もう枯れるだろうと思っても 痛みの爆音に背中を蹴飛ばされて まだ泣いていた 頭が痺れて 何も考えられなくなって ふと気付けば 私は静寂に包まれて死んでいた

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  • パンケーキなの?

    日曜日の遅い朝、 スマホの表面を コロコロと転がる様な 楽しそうな声が 耳に流れる込む。 そう言えば、 夕べ、 番号教えたんだっけか俺 今日も会おうなんて 夕べは言ってなかったじゃん。 なんでそんなに 嬉しそうなのさ。 気楽だけど、 気軽には手を繋げない。 近くに居たけど、 目を見詰めては話してな... 続きをみる

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  • 馬鹿な約束

    思わず瞼を閉じて その声に耳を傾けた。 速まる鼓動に、 その言葉は掻き消された。 「さよなら。」 耳に押し付けた携帯の奥底に ゆっくりと沈み静寂が訪れる。 やっと絞り出したかすれた声で ただ一言 「うん」と、 応えるしかなかった。 固く閉じた瞼の奥の走馬灯は、 全て笑顔なのに 震える指先は何も躊躇... 続きをみる

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  • 羅列詩 2

    弱すぎる己れの心を殴った拳 蒼痣の痛みに耐えながら スマホの連絡先を 消そうとしたのに 開いたアイコンが 微笑み掛けやがる。 途端に瞳の表面に 涙らしき熱い揺らぎ 俺はどうして こんなに弱虫なのか 言い訳を探してる真夜中に 余りにも苛立たしく 月が笑ってる まだ生温い南風が 酷く痛かった。 大きな... 続きをみる

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  • 羅列詩 1

    綺麗な形のクモの巣に 朝陽が織り成す キラキラと輝く 雨粒のダイヤモンド 濡れた路面に貼り付いている まだ青い落ち葉を数える様に 二人でならんで歩いた 朝の意味をぼやけた頭で 反芻して 手を繋いでいたのを忘れ 言葉が濡れた そんな事はないんだと 否定を口に出せずに ただ「うん」とだけの返事に 立ち... 続きをみる

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  • 暴力的美の笑顔

    なんて美しく整った 笑顔なんだろうか。 綺麗に並んだ粒揃いの白い歯が、 まるで白磁の造り物の様に 並んでる。 その輝く白さに見事に調和する、 濃く鮮やかな深紅の口紅。 顔の中央にはツンと 誇り高き鼻筋が通り、 その始まりに結ばれる目頭には 潤いを纏った愁いのある翳りが、 瞳の輝きを飾っていた。 頬... 続きをみる

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  • 母の残したモノ

    そう、母親は必ずしも味方ではなくなる時がある。 と言う話しです。 俺は旧家の長男。 先祖代々の本家の長男に産まれてしまったので、家を継がなければならないと、子供の頃から言われて育って来た。 つまり、お嫁さんをこの家に迎えて、ここに住まなければならない運命を背負わされていた。 と、言う事は、 両親と... 続きをみる

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  • 淑女

    人としての寛容さ暖かさ 女としての所作の美しさ 育ちの違いなのか 持って生まれた資質なのか オーラが穏やかで芳しい 男として いや、 小汚ない虫けらおやぢとして 恫喝にすら値しない 馬鹿さ加減 窘める言葉に 心地良い嘲笑が窺える 美人としか言い様のない 立ち振舞いに色気はあるが 性的な艶やかさを醸... 続きをみる

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  • 一刀両断

    女のウソには 聞き流す余裕を 女の強がりには 遠回りして労りを 女の見栄には お付き合いを 女の涙には 花束と強めのハグ 女の謝罪には 寛容さと頭ポンポン 女の怒りには ピアスやリングで そんな女と別れる時は 鋭い日本刀で一刀両断に 秒前までを普通の日常を そして一瞬で一太刀を浴びせ 血飛沫を浴び... 続きをみる

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  • バレンタイン

    んーん、どうすれば良いんだ なんか返事するべきなのか? でも、チョコレートを 貰っただけだし 好きとか付き合いましょう とか言われたわけじゃないし てか、あの娘とは あんまり話しをした事なないよな そう言えば、フルネーム知らないや えっと、誰が知ってるかな? この次に合った時はどうするんだ 気まず... 続きをみる

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  • あっさりとした愛

    「愛してる」 と言う、陳腐な言葉がある。 勿論、愛なんか目に見える様な実態などない。 だけど、自分の気持ち、心には、 確実に実在感のある感情。 一方、愛しています。 の、言葉を手向けられても、 自分の心には、 その度合いや実感は、なかなか 瞬時には、伝わっては来辛いものだ。 例えば、 熱し易く、冷... 続きをみる

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  • 過去は語らず

    過去の話しはザックリとしか 話さなかった。 家内にも彼女にも、 過去の彼女にもそれ以前の過去は、 話して来なかった。 例外は一人だけいたけど、 彼女は特別で別格だから、 自分の記憶の全てを語った。 だって、女って、 今を大切にするよね。 これからの二人を観てるよね。 それまでに、自分の彼がどんな恋... 続きをみる

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  • 雪雲と月

    空の端っこに、 青空を汚す様な黒く重たい雲が 俺の気持ちを汚してる。 ポッカリと取り残された 中途半端に欠けてる月が 俺を見下ろしていやがる。 だからと言って、 このまま家路に 着ける分けではなかった。 何時も、このタイミングなんだ。 仕事を定時に上がり、 ロッカーで着替え終えて 会社を出て、 駐... 続きをみる

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  • 海原の小舟

    全身が、 性感帯になってしまう 女の性(さが)は、 果のない大海原で荒波に揉まれる 小舟に似ている。 俺の、鋭い鞭の一振りに 全身を委ね、 襲い来る荒波にも似た激痛に 跳ね上がり、うねりながら 何度も震えながら揺れる。 かん高い悲鳴を上げ、 船体を軋ませながらも 沈まずに耐え抜き、 更なる鞭を待ち... 続きをみる

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  • やっぱりね

    鋭く尖った切先を輝かせている 貴方の言葉に怖れていた。 どんなに固く必死に閉ざした 私の心でも いとも簡単に突き刺して しまうのでしょう。 もしも、貴方に少しでも 躊躇える気持ちがあるのなら 私の眼差しに気付いて欲しい 貴方に向けられている この恐怖を お願いだから読み取って 冷たい刃(やいば)の... 続きをみる

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  • 何が楽しかったんだろう?

    繋いだ手の平の指が 時々、 強く握り締めて来る事がある。 俺は、無意識に何も考えずに 握り返してたけど、 ふと、どうして? って、疑問に思った。 特に、 離れそうになる訳じゃなく 会話に変化が生じている時 でもないのに、 時にはぎゅーっと、 指先に力がこもってる。 「どうしたの?」 尋ねても応えな... 続きをみる

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  • 片ちんば

    おっぱいってさ 左右の大きさが 違う人って結構いるよね。 一般的に何故か 左が大きい様な 気がしてるんだけど、 そう感じてるのは 俺だけなのかな? かなり前なんだけど、 ちょっとした知り合いの 女性と成り行き上で、 付き合ってた事があった。 その彼女の 左側のおっぱいが、 かなり大きくてね。 触り... 続きをみる

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  • 抜け出すには、、、

    いつかきっと他に誰かが現れるよ その傷を癒せる相手は絶対に居る なんて励ましの言葉を俺は言えない 深く心に刻まれた 大切に美化されてしまった 想い出に勝る人なんて 何処にも居やしない それが例え想い出の 本人だったとしても 抱いている想いを超える事なんて とても出来やしない それが過去なんだ それ... 続きをみる

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  • 無駄な青春

    努力は必ず報われる。 流した汗は裏切らない。 中途半端な青春時代の俺には 掴み取りたい栄冠があった。 しかし、 結果は5位。 表彰台にはあと、 2歩も足りなかった。 追い込みは正に中途半端の 極みだった。 それでも、立派だ、胸を張って クラブに帰れるなと師匠や先輩は 肩を叩いてくれたけど、 俺に取... 続きをみる

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  • みさえとチャエ 2

    そして、何よりも厄介だったのは、 美紗絵がチャエに嫉妬をする事 だった。 これが美紗絵と離別しなければなら なかった理由なのだ。 えっと、ここまでは理解して頂けた のだろうか? 美紗絵とチャエの一人二役的な展開。 実際に始めは演技だとしか思え なかった。 ふざけてるんだとしか思えなかった。 だって... 続きをみる

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  • みさえとチャエ 1

    先ずは美紗絵の名前から 俺はみさえって呼んでたのは、 みさえが美紗絵の時だけだった。 その他の時の呼び名はチャエ。 美紗絵とチャエ。 俺は同時に、同時期に二人の女と 同じマンションで同棲してたのだ。 実に分かり難い入り方をしてしまった 様だ。 皆さんの中にはご存知の方も居ると 思いますが、 解離性... 続きをみる

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  • 直後の後

    ベッドで項垂れたまま、 薄汚い涙を流し続けていた。 俺は泣いているんだなって、 俯瞰で眺めている自分が傍にいる。 何日間も、シャワーも浴びず、 風呂にも入ってない汚ならしく、 みすぼらしい男が、 不様でみっともない姿で泣いていた。 掻きむしって、洗ってない髪の毛は ボサボサでグシャグシャ。 疎らに... 続きをみる

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  • その直後

    自殺を考え、 自殺すら考えられなくなり、 ぽつんと独り部屋の隅っこで 膝を抱えて過ごしてた。 暮らして来た生活を思い出す訳でもなく、 思い出を反芻するでもなく、 何を食べ、何時トイレに立った のかさえ全く覚えていないし、 何日間そうしていたのかも 記憶に残っていなかった。 朝日が射し込み、街明かり... 続きをみる

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  • ストーンウォッシュ

    ヤマハXJ750に跨がり、エンジンをかける。 横浜インターから東名高速に乗り、 ひたすらアクセルを握り走り続けた。 センターラインがライトに浮かんでは消えを繰り返し永遠に点滅している様な錯覚を覚える。 時々、大型トラックがノロノロと車線を塞ぎ、追い抜く際に乱気流を 撒き散らして、二輪の車体を風圧で... 続きをみる

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  • 背負い坂

    僅か半年の同棲をして、 別れてしまった彼女。 早苗の思い出です。 銀杏の鮮やか新緑を水銀灯の 鋭い光が突き抜けて降り注ぐ。 まだ、肌に刺さるような冷たさが 残る夜風が葉を揺らしアスファル トの路面で影が踊ってた。 淡い血管が透き通る様に見える 白い素足が、路面で踊る影を 止められずに踏んでいた。 ... 続きをみる

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  • 中坊の夫婦感

    中学の1年位の頃だったろうか? 当時付き合っていた彼女がいた。 付き合う切っ掛けは、 単純に小学校時代からの友達 だったからなのだが、 付き合い初めの頃の彼女は、 とてもお世辞にも可愛いとか 綺麗とは言えない女の子だった。 しかし、付き合っていると愛着 なのか、それとも成長期の 女の子の七変化なの... 続きをみる

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  • 言わない方が、、、

    墓場まで持って行かなければ ならない秘密って、 人にはあると思うんです。 つい、 うっかり人を殺しちゃった。 なんて大それた内容じゃなくて、 落ちてた財布を拾って 中の現金をネコババした。 くらいの罪なのかな? いやいや、 それもかなりの罪かな? いや、 金額にもよるのかな? あっ! 財布の中の現... 続きをみる

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